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訪問診療の承継に伴うスタッフ・患者家族へのスムーズな引き継ぎ方法

14/8/2025

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訪問診療の承継において、もっとも大切な要素の一つが「人」と「信頼」の引き継ぎです。承継は単に事業形態や契約書の移転だけではなく、日々の診療を支えるスタッフと、その診療を受ける患者・家族との関係性も含まれます。特に訪問診療は患者宅というプライベートな空間に踏み込む医療であるため、人間関係の変化が患者の不安につながることもあります。本記事では、承継時に配慮すべきスタッフ・患者家族への引き継ぎポイントを整理します。

1. 承継の事前準備としての「コミュニケーション計画」承継をスムーズに行うためには、計画段階から「誰に・いつ・どのように」説明するかを決めておく必要があります。
  • スタッフへの説明時期:原則として正式合意の直前〜直後が望ましい。早すぎると不安や噂が広がりやすく、遅すぎると心の準備ができません。
  • 患者・家族への説明時期:承継の1〜2か月前が理想。診療スケジュールや担当医の変更がある場合、十分な周知期間を確保します。
  • 説明の方法:口頭説明+文書(案内状)の併用が効果的。

2. スタッフへの引き継ぎ対応スタッフは訪問診療の品質を左右する重要な存在です。承継にあたっては以下の配慮が必要です。
  • 雇用条件の維持:急な待遇変更は退職リスクを高めます。最低でも承継後6か月〜1年は条件を維持するのが望ましい。
  • 新体制のビジョン共有:承継後の方針や運営理念を具体的に説明し、スタッフが安心して働ける環境をつくる。
  • 役割と評価制度の再確認:承継後の業務内容や評価基準が不透明だとモチベーション低下を招くため、事前に説明します。

3. 患者・家族への配慮訪問診療は患者宅という「生活の場」に入る医療です。そのため、信頼関係の維持が最重要課題になります。
  • 説明は主治医から直接:可能であれば旧体制の主治医と新体制の医師が同席し、承継の背景や継続性を説明します。
  • 診療方針の継続:特別な理由がない限り、薬の処方や診療スケジュールは当面維持する。
  • 連絡体制の一貫性:連絡先や緊急時の対応ルールは承継前と同一にして、混乱を防ぎます。

4. 引き継ぎ文書とデータ管理承継時には、口頭だけでなく文書やデータの引き継ぎが重要です。
  • 患者情報の共有:カルテ・訪問スケジュール・服薬情報を電子カルテやクラウドシステムで安全に移行。
  • 承継案内文:患者・家族向けに承継のお知らせ文を作成し、診療時に直接手渡しする。
  • スタッフ用引き継ぎマニュアル:業務フローや連絡先一覧、訪問ルートマップなどをまとめて渡す。

5. トラブルを防ぐための注意点
  • 情報の分断を防ぐ:承継直後に連絡ミスや情報漏れが発生しやすいため、引き継ぎ期間中は二重確認を行う。
  • 患者の不安を最小化:特に高齢患者や認知症患者は環境の変化に敏感なため、顔合わせや事前説明を丁寧に。
  • 承継後のフォローアップ:承継から3か月程度は、患者・家族・スタッフへのヒアリングを実施し、改善点を迅速に反映。

まとめ訪問診療の承継は、設備や契約よりも「人間関係の引き継ぎ」が成功のカギを握ります。スタッフと患者・家族が安心して新しい体制を受け入れられるよう、事前の準備と丁寧なコミュニケーションが不可欠です。承継を単なる経営上の手続きではなく、「信頼のバトンを渡す行為」と捉えることで、より円滑な移行が実現します。

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訪問診療を承継する際に必要な引き継ぎ準備と注意点

13/8/2025

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はじめに訪問診療の承継は、単にクリニックの運営権を引き継ぐだけではありません。
患者様の生活と健康に直結する医療サービスだからこそ、引き継ぎ準備の質が承継後の安定運営を左右します。
この記事では、訪問診療承継の準備ポイントと注意点を、実務経験をもとに解説します。

1. 承継の全体像を把握する
訪問診療は外来診療と異なり、患者の自宅や施設に医師や看護師が訪問します。
承継の際には、下記の3つの側面を整理しておくことが大切です。
  1. 医療体制
    • 医師、看護師、事務スタッフの人員構成
    • 当直やオンコール体制の有無
    • 連携する病院や薬局の情報
  2. 患者情報
    • 担当患者の人数と訪問スケジュール
    • 主治医意見書や訪問診療計画書の更新時期
    • 在宅医療機器の有無(酸素、点滴、人工呼吸器など)
  3. 運営・契約面
    • 医療法人や個人事業の形態
    • リース契約や賃貸契約の承継可否
    • 行政への届出や許認可の引き継ぎ手続き

2. 患者と家族への説明
・合意
訪問診療の承継では、患者や家族の安心感の確保が最重要です。
承継後に医師や看護師が交代する場合、患者側が不安を感じやすく、契約解除につながるケースもあります。
  • 承継の理由や背景を誠実に説明する
  • 引き継ぎ医師との事前面談を行う
  • 訪問予定や治療方針の変更有無を明確に伝える

3. 医療スタッフの引き継ぎ
承継後もスムーズな診療を続けるには、スタッフの継続雇用が重要です。
労働条件や福利厚生の変更がある場合は、早めに情報共有し、納得感を持ってもらうことが離職防止につながります。
  • 雇用契約の更新時期と条件の確認
  • 業務マニュアルや引き継ぎ資料の整備
  • モチベーション維持のための面談実施

4. 行政・保険関連の手続き
訪問診療は医療保険・介護保険の両方に関わります。承継のタイミングで以下の手続きを漏れなく行いましょう。
  • 保健所への開設・廃止・変更届
  • 健康保険・介護保険の指定更新
  • 医療機器や薬品の管理者変更届
  • 関連する協力医療機関との契約書更新

5. トラブル防止のための契約書整備
承継契約書には、承継範囲・債務・患者継続率の想定などを明記することが望ましいです。
  • 具体的な承継対象(患者、契約、設備など)
  • 負債・リース契約・未払い金の取り扱い
  • 承継後の競業避止期間や再承継条件

6. まとめ
訪問診療の承継は、単なる事業移転ではなく、患者の命と生活を守る「医療のバトンタッチ」です。
計画的な準備と関係者への丁寧な説明が、承継後の安定運営と信頼関係の維持につながります。

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後継医師とトラブルにならないための承継契約書のポイント

12/8/2025

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〜訪問診療クリニック承継で押さえておくべき条項〜

訪問診療クリニックの承継では、後継医師との信頼関係が何より大切です。
しかし、口約束や不十分な契約内容のまま進めると、承継後にトラブルが発生するリスクがあります。

本記事では、承継契約書を作成する際に押さえておきたい重要な条項や、後から「入れておけばよかった」と後悔しやすいポイントを解説します。
承継をスムーズに、そして安心して進めるための参考にしてください。


1. 承継契約書が必要な理由訪問診療の承継では、単に「クリニックの名義変更」だけでなく、
患者、スタッフ、地域との関係性、設備や契約、経営資源など、多くの要素が引き継がれます。

契約書が不十分だと、以下のような問題が起こる可能性があります:
  • 承継後の運営方針を巡る対立
  • 設備や物品の引き渡し範囲を巡る誤解
  • 退職したスタッフの処遇に関するトラブル
  • 金銭面(承継対価や分割条件など)の争い

2. 契約書に必ず盛り込みたい主要項目以下は訪問診療承継において特に重要な条項です。
(1) 承継対象の明確化
  • 医療機器(車両、診療用PC、ポータブルエコー等)
  • 患者情報(カルテデータの取扱いと法的遵守)
  • 賃貸契約の権利・義務(テナント物件の場合)
ポイント:項目をリスト化し、物件番号や型番も記載しておく。

(2) 承継スケジュール
  • 契約締結日
  • 引渡し日(診療体制移行日)
  • 準備期間中の役割分担(挨拶回り、患者説明など)
ポイント:曖昧な「○月頃」ではなく、日付を明確に設定。

(3) 承継対価と支払い条件
  • 一括払い / 分割払いの方法
  • 分割時の利息有無
  • 支払い遅延時の対応(期限の利益喪失条項など)
ポイント:銀行振込日や口座情報も契約書に明記。

(4) 競業避止義務
  • 承継後、元院長が同一エリアで同業開業しない期間
  • 半径○km以内、○年間などの条件設定
ポイント:過度に長い期間は法的に無効となる可能性があるため、期間は3年以内が一般的。

(5) スタッフの雇用条件
  • 承継後○ヶ月間は現行条件を維持
  • 雇用契約の名義変更方法
ポイント:労働条件通知書の再交付タイミングも盛り込む。

(6) 引き継ぎ業務の範囲
  • 患者紹介文書の作成
  • 関連医療機関・介護事業所への紹介挨拶
  • 在支診の届出など行政手続きの支援
ポイント:元院長の関与期間を明示する(例:承継後3ヶ月間は週1日勤務)。

3. 見落としがちな追加条項承継契約で抜けやすいが重要な項目もあります。
  • 行政許可・届出が不成立の場合の対応(引渡日変更や契約解除条件)
  • 不可抗力条項(災害や感染症流行による影響)
  • **秘密保持契約(NDA)**を承継契約書に統合
  • 医療事故発生時の責任分担

4. 契約書作成の流れ
  1. 事前打ち合わせ(条件の擦り合わせ)
  2. 条件メモの作成
  3. 専門士業(弁護士・司法書士)への依頼
  4. 契約書案の作成
  5. 両者で条文確認 → 修正
  6. 捺印・契約締結

5. 契約後のフォローも重要契約書は締結して終わりではありません。
承継後の1〜3ヶ月は、元院長と後継医師の間で定期的にコミュニケーションを取り、
運営上の課題や地域からのフィードバックを共有することが、安定運営のカギになります。


まとめ訪問診療の承継では、契約書が将来の安心を左右します。
「信頼関係があるから大丈夫」という感覚だけに頼らず、条文化しておくことがトラブル防止の第一歩です。

不安な場合は、医療承継の経験がある弁護士やコンサルタントに相談し、自院に合った契約書をカスタマイズしましょう。

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在宅医療の承継で起こりがちなトラブル事例とその回避策

3/8/2025

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〜“揉めないため”の事前準備と誤解防止のポイント〜

訪問診療や在宅医療を担うクリニックの承継は、地域医療の継続に欠かせない重要なプロセスです。
しかしながら、承継の現場では想定外のトラブルが発生するケースも少なくありません。

トラブルの多くは「契約内容の不備」や「関係者間の認識ズレ」によるもので、
事前に注意すれば防げるものばかりです。

本記事では、在宅医療の承継において実際に起きたトラブル事例をもとに、回避策を具体的に解説します。

1. ケース①「患者情報の引継ぎが不十分だった」

✅ 事例

買い手医師が承継後に訪問診療を開始したところ、患者の主治医変更手続きが未了だったり、
紙カルテしか存在せず訪問ルートや家族連絡先の把握に時間がかかった。

✅ 問題点
  • 同意取得や主治医変更届出が未実施
  • 患者情報がアナログ管理で引継ぎ非効率
  • 看護師や事務スタッフの業務フローも未整理

✅ 回避策
  • 電子カルテまたは患者一覧を事前共有
  • 承継対象患者の範囲、主治医変更タイミングを明確に定義
  • スタッフ同席の「現場引継ぎミーティング」実施

2. ケース②「承継後のスタッフ離脱・人手不足」

✅ 事例
新体制に不安を抱いた看護師・事務スタッフが退職を希望し、
業務継続に支障が出た。買い手側は「全員継続雇用だと思っていた」と認識にズレ。

✅ 問題点
  • 雇用条件のすり合わせ不足
  • スタッフへの事前説明が不十分
  • 承継後の労務管理・コミュニケーション計画がなかった

✅ 回避策
  • 承継合意前にスタッフ面談の実施(可能な範囲で)
  • 雇用条件の明文化と両者合意
  • 離脱リスクがあるスタッフには事前フォローと退職予測も伝達

3. ケース③「物件・医療機器の所有関係が不明」

✅ 事例
医療法人が運営する訪問診療所で、建物・車両・機器が理事長個人名義だったことが承継直前に発覚。
譲渡対象に含まれるのか曖昧で、条件再交渉が必要になった。


✅ 問題点
  • 名義・所有者の整理不足
  • リース・借入契約の扱いが不明瞭
  • 評価額に対する見解の相違

✅ 回避策
  • 承継対象資産のリストアップ(名義明記)
  • 車両・医療機器・電子カルテなど、個人所有物と法人資産を区分
  • 名義変更や再契約が必要な項目を事前に精査・スケジュール化

4. ケース④「在支診・施設基準の継続に失敗」
✅ 事例
承継後、在宅療養支援診療所(在支診)や夜間対応体制が厚生局への届出不備で一時停止に。
月の診療報酬が大幅に減少し、収支に影響。

✅ 問題点
  • 届出期限・条件の確認ミス
  • 新院長名義での再申請の必要性を把握していなかった
  • 診療体制が継続されていなかった

✅ 回避策

  • 厚生局への施設基準届出スケジュールを事前に立てる
  • 承継後すぐに満たせる体制(医師数・緊急対応)を維持
  • 加算・体制届出の要件リストをもとに必要手続の見える化

5. ケース⑤「契約書に重要事項が盛り込まれていなかった」

✅ 事例

承継契約に「患者データ提供の有無」「非競業条項」「スタッフの引継ぎ範囲」などが記載されておらず、
承継後の業務にトラブルが発生。

✅ 問題点

  • 口頭ベースで進行してしまった
  • テンプレ契約書のみ使用し、医療実務を反映できていなかった
✅ 回避策

  • 医療特化のアドバイザーや弁護士に契約内容を確認依頼
  • 単なる「金額・日付」の契約ではなく、承継後の業務フローや責任範囲も契約書に明記
まとめ:トラブルは“想定力”で防げる

在宅医療の承継では、「お互いがわかっているだろう」という思い込みが最大の落とし穴です。
引き継ぎ内容・責任の所在・患者やスタッフへの対応など、細部まで明文化し、認識のすり合わせを徹底することで、多くのトラブルは未然に防げます。

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記事内で紹介したトラブルを回避するための「訪問診療承継チェックリスト」を無料でご提供しています。

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【参考リンク】

  • 中小企業庁「事業承継トラブル事例集」
    https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2021/2107jirei.pdf
  • 厚生労働省「在支診の施設基準要件」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198117.html
  • 日本医療法人協会「医療M&A契約書雛形ガイド」
    https://www.ajhc.or.jp/resource/ma_contract_template
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