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承継に強い医療M&Aアドバイザーを選ぶためのチェックリスト

31/7/2025

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〜「任せてよかった」と思える専門家の見極め方〜

訪問診療クリニックを承継したい。
しかし、いざその準備を始めようとしたときに、多くの先生が悩むのが「誰に相談すればいいのか?」ということです。

一般的なM&A仲介会社、税理士、医師会、知人の紹介—--
さまざまな選択肢があるなかで、本当に信頼できる「医療承継の専門家」は限られています。

本記事では、医療に特化した事業承継のアドバイザーを選ぶ際に見るべき7つのポイントをチェックリスト形式でご紹介します。

【1. 医療・介護分野に精通しているか?】
一般的なM&A仲介会社は、飲食業や製造業など幅広い業種を扱っています。
しかし、医療は診療報酬制度・施設基準・厚生局対応など特殊性が極めて高い分野。

たとえば…
  • 訪問診療の加算点数の評価
  • 看取り対応の有無
  • 在支診の要件・継続
  • 医師法や医療法人の届出対応
こうした実務に対応できるアドバイザーかどうかは、非常に重要なポイントです。
✅ チェック
☐ 訪問診療や在支診の承継経験がある
☐ 医療法人の設立・解散・変更届の知識がある
☐ 診療報酬制度を理解している


【2. 実績とクチコミは明示されているか?】
信頼できるアドバイザーは、過去の実績や支援例をしっかりと公開しています。
また、医師や法人からの推薦コメントやクチコミがあるかどうかも安心材料のひとつです。

✅ チェック
☐ 訪問診療クリニックの承継実績がある
☐ クライアントの声(実名または匿名)を確認できる
☐ 成功事例の詳細な紹介がある


【3. 両者の中立的な立場で支援しているか?】
アドバイザーの中には、「買い手優先」「売り手優先」とどちらかに偏るケースもあります。
本来の理想は、「双方の利益を尊重し、公平に交渉・調整を行う立場」。

訪問診療のような“信頼”が前提の分野では、丁寧なすり合わせと中立性が極めて重要です。
✅ チェック
☐ 買い手・売り手の両者支援実績がある
☐ 双方にとって納得できる調整スタンスを持っている
☐ 譲渡契約書の作成や条件交渉で、客観的な視点がある


【4. 契約形態とフィー体系が明確であるか?】
M&A支援では、「成功報酬型」「月額報酬型」「コンサル料+成果報酬」など様々な報酬体系があります。
特に医療の承継では、承継規模に見合わない高額な報酬を請求されるケースも。
契約時にしっかりと説明を受け、報酬と対応範囲が一致しているかを確認しましょう。
✅ チェック
☐ 着手金・月額・成果報酬の内訳が明確
☐ 想定されるトータル費用の上限を説明されている
☐ 解約条項や契約期間が明文化されている


【5. 自分との相性・信頼関係が築けそうか?】
どれほど経験豊富なアドバイザーでも、**先生ご自身と“相性が合わない”**と感じる場合は注意が必要です。
  • 話し方が早口すぎる
  • 難しい用語ばかりで説明が伝わらない
  • 質問に対して曖昧な回答が多い
このような不安を感じた場合、無理に進めず複数人の意見を聞くことをおすすめします。
✅ チェック
☐ 初回相談で話しやすい雰囲気だった
☐ 質問への回答が丁寧で具体的だった
☐ こちらの不安や希望をメモ・整理してくれた


【6. 承継後のフォロー体制があるか?】
「契約締結までが仕事」というアドバイザーもいますが、医療の現場では引き継ぎ後の実務支援こそが重要です。
  • 厚生局への変更届出
  • スタッフの引継ぎ面談
  • 地域連携機関への挨拶・案内
  • 請求ソフトの入替サポート
こうした“アフター支援”まで見据えて動いてくれるかが、良いアドバイザーの判断軸となります。
✅ チェック
☐ 契約後もフォローが継続される
☐ 実務支援チームや提携先(社労士・税理士)がいる
☐ 新院長への事業引継ぎ支援も含んでいる


【7. 売却・閉院を前提とせず、“継続”を重視しているか】
単に「高く売る」「早く売る」ことを目的とした仲介会社もありますが、訪問診療の承継では、患者・スタッフ・地域への責任ある継続性が求められます。
「守るための承継」という考えを持ったアドバイザーこそ、医師にとって信頼できるパートナーです。
✅ チェック
☐ “継続する医療”としての承継視点がある
☐ 閉院ではなく承継を前提とした支援方針
☐ 地域との関係性も重視している


【まとめ】
医療の承継は、単なる“事業取引”ではありません。
先生の想い、患者の安心、スタッフの雇用、そして地域の医療体制をつなぐ極めて重要なプロセスです。

そのためには、**経験だけでなく「誠実さ」と「現場目線」**を備えた支援者が必要です。
本記事のチェックリストをもとに、先生ご自身にとって最適な医療承継アドバイザーを見つけていただければ幸いです。

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【参考リンク】
  • 中小企業庁|事業承継の手引き(医療・福祉編)
    https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2019/191004shoukei_iryofukushi.pdf

  • 厚生労働省|医療法人の承継手続き(各種届出手続の案内ページ)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066517.html

  • 日経メディカル|地域医療と承継の実務特集(※参考用記事例)
    https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202112/572159.html

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在宅療養支援診療所(在支診)とは?

31/7/2025

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〜訪問診療の質を支える“24時間体制”の意義と現場の実態〜

訪問診療の現場でよく耳にする「在支診(ざいししん)」。
正式には「在宅療養支援診療所」といい、地域で在宅医療を担う重要な機能を持つ診療所として制度的にも位置づけられています。
この記事では、在支診の制度概要や要件、現場での運用実態、そして承継を検討する際に知っておくべきポイントを解説します。

【1. 在宅療養支援診療所(在支診)とは?】
在支診とは、厚生労働省が定める施設基準に基づき、
24時間対応の体制を整えたうえで、継続的な在宅医療を提供する診療所を指します。
【主な機能と役割】
  • 定期的な訪問診療
  • 緊急時の往診・電話対応(24時間365日)
  • 看取りへの対応
  • 他職種(訪看・薬局・ケアマネ)との連携体制
  • 地域包括ケアシステムの一翼を担う存在

【2. 在支診に求められる施設基準(簡略版)】
在支診と認定されるためには、以下のような要件を満たす必要があります:
  • 24時間対応体制の確保
     → 夜間・休日も緊急連絡に応じる体制が整っていること(輪番制・コールセンター活用も可)
  • 看取り・緊急対応の実績報告
     → 過去1年間で所定回数以上の看取りや緊急往診が実施されている
  • 診療報酬加算の届出と体制整備
     → 在宅時医学総合管理料(在医総管)や特定施設管理加算の算定が可能
✅ ポイント:
単なる訪問診療を行うクリニックとは異なり、「地域の在宅医療インフラ」としての信頼性が求められます。

【3. 在支診であることのメリット】
【医療機関側のメリット】
  • 診療報酬の加算が可能(在医総管・施設加算など)
  • 地域医療の信頼獲得 → 患者紹介が増加
  • 医師・看護師のやりがいと責任の明確化
【患者・家族側のメリット】
  • 夜間や看取り時にも“いつでもつながる医療”がある安心
  • 急変時の相談先としての存在価値
  • 看取りを希望する高齢者の選択肢が広がる

【4. 実際の現場での在支診の運用】
在支診といっても、24時間医師が院内に待機しているわけではありません。
多くのクリニックでは、以下のような体制で運用しています:
  • 常勤医師+非常勤医による当番制
  • 夜間コールセンター経由でのトリアージ
  • 訪問看護ステーションとの連携対応
  • 看護師ファーストコール→医師判断→出動要否判断
✅ 注意点:
在支診の運用は、「形だけの体制」ではなく、「実際に稼働する仕組み」が整っているかが重要です。

【5. 承継を検討する際の在支診の確認ポイント】
クリニックを承継する際に、在支診であるかどうかは以下の点で大きな影響を与えます。
  • 【収益性】
     在医総管・施設加算などの加算点数で、月商が1.5〜2倍になることも
  • 【継続性】
     在支診指定を継続するには、承継後も実績・体制を維持する必要がある
     → 新体制での24時間対応が可能か?
  • 【手続き】
     地方厚生局への変更届、看取り実績・連携体制の再報告が必要なケースあり
✅ 専門家コメント:
「承継後に“在支診が外れる”と点数が下がり、運営に支障をきたすことがあります。事前の綿密な確認が必要です」

【まとめ】
在宅療養支援診療所(在支診)は、単なる訪問診療所ではなく、
“地域の安心と命を支える中核的存在”です。
承継を検討する際には、在支診であるかどうかを必ず確認し、
・体制を維持できるか
・行政手続きはどうするか
・加算点数の影響をどう見るか
といった点を事前に把握しておくことが、成功の鍵となります。

【▶ 在支診の承継に不安がある方へ】
当サイトでは、在支診の承継に関する手続きや体制診断、行政対応の支援も無料で行っています。
まずはお気軽にLINEまたはフォームからご相談ください。
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【参考リンク】
  • 厚生労働省:在宅療養支援診療所に関する届出要件
     https://www.mhlw.go.jp/
  • 日本医師会:在宅医療の質向上と体制整備の課題
     https://www.med.or.jp/
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引退を迷う医師へ:承継を選んだ5つの理由とその後の生活

30/7/2025

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「そろそろ引退を考えているが、患者のことが心配で踏み切れない」
「閉院は寂しいし、でも誰にどう相談していいかもわからない」

このように迷いながら日々の診療を続けている訪問診療の先生方は、全国に数多くいらっしゃいます。
本記事では、実際に承継という選択をした医師たちが、なぜ決断し、どのような生活を送っているのかを、実例ベースでご紹介します。
【1. 決断までの迷いと葛藤】
「自分がやめたら、患者さんはどうなるのか?」
「スタッフに何て言えばいいか分からない」
「もう70代だけど、あと少しだけ続けようか…」
こうした迷いの声は、承継を検討した医師の誰もが口にします。
特に訪問診療は、患者との距離が近く、「人生の最期を見届ける」役割も担っているため、“責任感”が大きく引退を難しくしてしまうのです。
しかし、承継を選んだ医師たちは、決して無責任な決断ではなく、むしろ“守るための選択”だったと口を揃えて語ります。

【2. 医師たちが承継を選んだ5つの理由】
(1)患者を安心して任せられる後任が見つかった
「引き継ぐ先生と一緒に訪問診療を回ったことで、“この人なら大丈夫”と思えた。何より、患者さんの安心した表情が背中を押してくれた」
(2)スタッフの雇用と生活を守れると確信した
「20年以上一緒に働いてきた看護師さんの将来を考えると、承継で職場を継続してもらえるのはありがたかった」
(3)行政・地域の支援を得られた
「地域包括支援センターから“先生がいなくなると困る”と言われ、紹介してもらった承継先がきっかけになった」
(4)家族からの説得と応援があった
「体調面の不安がある中で、“もう自分のことを優先していいよ”と家族に言われ、決断した」
(5)承継を支援する専門家の存在が心強かった
「全てを1人で決めるのは無理だったが、医療M&Aの専門家が段取りを整理してくれて、不安が一つずつ解消された」

【3. 承継後の医師のリアルな生活とは?】
承継後の生活は、「想像よりも穏やかで、安心できる」と話す先生が多くいます。
【実際の声】
  • 「患者の命を預かる重圧から解放されて、ようやく夜ぐっすり眠れるようになった」
  • 「非常勤で週1だけ医師会業務に関わっている。医師としてのアイデンティティは保ちつつ、生活は楽になった」
  • 「家族と旅行に行ったのは10年ぶり。もっと早く承継してもよかったとすら思う」
✅ ポイント:
承継は“医師人生の終わり”ではなく、“新しい生き方のスタート”です。
医療の現場からは離れても、“医師であること”をやめる必要はありません。

【4. 「承継=事業売却」ではなく「想いの継続」】
承継という言葉に、“お金儲けのようなイメージ”を抱いて敬遠する先生もいます。
しかし実際には、訪問診療の承継とは、患者・家族・スタッフ・地域の“医療の継続”を支える行為に他なりません。
医師としての責任を全うし、地域医療を守るための方法として、最も誠実な選択肢であるとも言えます。

【5. まだ決断できない先生へ:まずは相談という選択を】
今すぐ決断しなくても構いません。
ただ、「承継という選択肢がある」ことを知ることが、未来の準備になります。
・患者の数が減ってきた
・自分が高齢になってきた
・スタッフの今後が気になる
そう感じたときこそ、“最初の一歩”としての相談をおすすめします。

【まとめ】
引退を迷う医師が“承継”を選んだ理由には、共通して**「守りたいものがあるからこそ決断した」**という想いがあります。
  • 患者とその家族の安心
  • 一緒に働いてきたスタッフの将来
  • 自身の健康と家族との時間
  • 医師としての誇りと責任感
これらすべてを守る手段として、承継は非常に有効です。
そして、承継後の生活には、第二の人生のゆとりと喜びが待っています。

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【関連リンク】
  • 厚生労働省|医師の高齢化と地域医療の課題 https://www.mhlw.go.jp/
  • 日本医師会|医師のライフプランと引退支援 https://www.med.or.jp/
  • 中小企業庁|医療分野における事業承継支援 https://www.chusho.meti.go.jp/
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【2025年版】訪問診療の承継市場はどうなる?

29/7/2025

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〜最新動向と成功のための5つの視点〜

高齢化と医師不足が深刻化する中、訪問診療クリニックの「承継(M&A)」は医療継続の重要な手段として全国で注目されています。
特に2025年問題(団塊世代の後期高齢者入り)を目前に控え、今まさに承継の“加速期”に突入しています。

本記事では、2025年現在の訪問診療における承継市場の最新動向・統計データ・成功のポイントを、現場実務の視点で解説します。

【1. 市場拡大の背景:団塊世代の後期高齢者入り】
2025年、団塊世代の全員が75歳以上(後期高齢者)となります。
これにより、在宅医療・訪問診療のニーズは過去最大に。

【注目データ(2024年末時点)】
  • 日本の後期高齢者人口:約2,200万人
  • 要介護認定者数:約720万人(うち約40%が通院困難)
  • 訪問診療を提供する医療機関:約14,000件
  • そのうち、院長が60歳以上の割合:58%
✅ ポイント:
「需要は急増・供給は高齢化」というアンバランスが進行しており、
今後10年で“1万件超のクリニックが承継対象になる”と予測されています。


【2. 地域別の承継ニーズ(2025年)】
地域
A,都市部(東京・大阪・名古屋など)
B,郊外・中核都市(地方県庁所在地)
C,山間部・人口減少地域

特徴
A,競合多いが患者密度高く収益安定
B,医師不足エリア/訪問診療の担い手が不足
C,患者数少なめだが競合ゼロ

承継ニーズ
A,若手開業医・医療法人が積極的

B,医療法人による拠点展開が活発化
C,公的機関・地域包括との連携承継が中心

✅ 傾向:
地方だからといって承継できないわけではなく、地域医療維持のために公的支援が得られるケースも多数あります。


【3. 承継の成功事例と共通点】
2024年〜2025年に実際に承継が成立した事例では、以下のような共通点があります。
【成功事例の特徴】
  • 承継前に「訪問件数」「スタッフ」「患者層」などの情報を可視化
  • 医療法人 or 若手開業医に早期に提案し、引き継ぎ期間を設けた
  • 訪問看護・薬局などの関係事業者にも丁寧に説明
  • 引退医が同行診療を1〜2ヶ月行い、信頼移行をサポート
✅ 一言アドバイス:
成功しているクリニックほど、「患者・地域の不安を軽減する工夫」に力を入れています。


【4. 2025年に注目されている承継タイプ】
①「医療法人のサテライト型承継」
→ 医療法人が複数エリアに在宅拠点を持ち、拡大のために地域クリニックを承継

②「若手医師の開業支援型承継」
→ 病院勤務医や非常勤医が、既存患者と物件・体制を承継して“低リスク開業”を実現

③「看護ステーション連携型」
→ 看護師主導で医師との連携体制を維持しながら、クリニックの承継を実施

✅ 今後の動き:
「医師だけの承継」から「チームでの承継」「他業種連携型承継」へのシフトが進んでいます。


【5. 2025年以降に承継を成功させるための5つの視点】
  1. 早期相談(理想は1年前)
     → 情報の整理と承継先との調整に最低3〜6ヶ月は必要です。
  2. 資産とリスクの明確化
     → レセプト、車両、医師体制、契約関係を洗い出し、引き継ぎ対象を明確に。
  3. スタッフとの対話・巻き込み
     → 承継の成否はスタッフの継続率に直結します。
  4. 患者・家族・地域との丁寧な周知
     →「突然変わった」印象を与えない説明と引き継ぎ計画が重要。
  5. 専門家の伴走支援
     → 医療M&Aに強い専門家に依頼することで、トラブル防止と条件交渉がスムーズに。

【まとめ】
2025年の訪問診療市場は、“承継が主戦場”になると言っても過言ではありません。
引退を考える側も、これから在宅医療に参入したい側も、今が最適なタイミングです。

承継は単なる引き継ぎではなく、
・地域の医療資源を守る
・患者と医療の“継続”を支える
・医師のキャリアをつなぐ
社会的にも意義の大きな選択です。


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  • 厚労省|地域包括ケアと在宅医療推進資料 https://www.mhlw.go.jp/
  • 中小企業庁|2025年問題と事業承継政策 https://www.chusho.meti.go.jp/
  • 日本医師会|高齢社会における医師の引退と継承 https://www.med.or.jp/
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訪問診療の承継で“患者情報”はどう引き継ぐ?

29/7/2025

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〜個人情報保護法と現場対応のポイント〜

訪問診療クリニックを承継する際に、最もデリケートで見落とされがちな論点が「患者情報の取り扱い」です。
特に訪問診療では、住所・疾患・生活状況・看取り希望など、センシティブな情報を多く扱うため、適切な引き継ぎがされないと法的・倫理的リスクが生じます。

本記事では、患者情報の承継時に気を付けるべき法律・ガイドライン、現場での対応策についてわかりやすく解説します。

【1. 患者情報は“資産”であり、“個人情報”でもある】
訪問診療における患者情報とは、単なるカルテだけではありません。
【対象に含まれるもの】
  • 電子カルテ・紙カルテ(診療記録・訪問記録)
  • レセプトデータ・服薬履歴・ADL評価表
  • 家族構成や生活状況、看取り希望
  • 写真・動画・音声メモ
  • 施設やケアマネとの連絡記録
これらは医療機関にとって「資産価値」のある情報である一方、個人情報保護法上の“要配慮個人情報”にも該当し、取り扱いには厳格な管理が求められます。

【2. 法的な根拠:個人情報保護法・医師法の観点】
訪問診療の承継時に問題となるのは、主に以下の2つの法律です。
【個人情報保護法】
  • 原則として、本人の同意なく第三者提供(承継含む)してはならない
  • ただし、医療機関同士の事業承継で、かつ目的が「継続診療」の場合は例外的に許容されるケースあり(法第23条)
【医師法・医療法】
  • 医師には診療録の保存義務(5年間)と、守秘義務がある
  • 管理者変更時は、原則として患者の診療継続を目的とする情報提供は可能
✅ ポイント:
引き継ぎにあたって「患者の診療継続が目的である」「不特定多数に提供されるものではない」と明示することで、実務上の承継は可能になります。


【3. 引き継ぎ方法(電子カルテ・紙カルテ・訪問記録)】
(1)電子カルテ
  • 同一ソフトを使用する場合:サーバー・クラウド移行で引き継ぎが可能
  • 異なるソフト間の場合:CSV形式で患者一覧/訪問記録をエクスポートし、再入力(人手を要する)
(2)紙カルテ
  • 保存義務5年を踏まえた保管引き継ぎが必要
  • 引き継ぎ法人が保管業務を担うか、院長個人が保管責任を継続するか明確化
(3)訪問記録・写真・メモ等
  • プライベートな内容が多いため、承継側に必要性と取り扱い方針の確認が必要
  • 不要な情報は廃棄対象とする判断も含め、双方で協議を行うことが望ましい

【4. 実務対応:患者・家族への同意取得がベスト】
法律上は明示的な「同意」が不要とされるケースもありますが、患者や家族からの信頼関係を維持するために“同意取得”を行うのがベストです。
【実務で使える方法】
  • 引き継ぎ案内文を作成し、患者・家族に配布
  • 「今後は〇〇先生が訪問診療を継続します」などの説明を添える
  • 同意書までは不要でも、「診療継続に同意されたとみなせる記録」を残す
✅ 注意点:
特に介護施設・看取り対象者・認知症患者など、第三者との関係性が深いケースでは、関係者への情報共有と丁寧な説明が不可欠です。


【5. 情報引き継ぎで“やってはいけない”NG行為】
  • ExcelやPDFをメール添付で無暗に送る
  • 退職スタッフがデータを持ち出す
  • 管理医師の不在中に情報を移動・転送する
これらは個人情報漏洩とみなされる可能性があり、医療法人・医師としての責任を問われる重大なリスクです。

【6. 承継契約書に記載すべき「個人情報の取り扱い条項」】
患者情報の取り扱いは、承継契約書の中に明確に条項として盛り込む必要があります。
【記載例(概要)】
・承継対象に含まれる患者情報の範囲
・情報の使用目的(診療継続に限る)
・情報漏洩防止の義務
・不必要となった情報の破棄・削除義務
・退職者・第三者への再提供の禁止

✅ 補足:
弁護士・医療M&Aコンサルタントと連携し、法的に有効で現実的な契約書文言を作成することが重要です。


【まとめ】
訪問診療の承継では、「患者情報」の取り扱いが最大のセンシティブ領域です。
・情報は“資産”であり“守るべき個人情報”でもある
・継続診療の目的であれば、引き継ぎは可能
・患者・家族への事前説明と丁寧な対応が信頼につながる
・情報漏洩リスクを防ぐため、実務と契約の両面から備える

これらを適切に対応することで、患者とスタッフの安心を守りながら、スムーズな承継を実現することができます。

【▶ 患者情報の引き継ぎについて不安がある方へ】
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【関連リンク】
  • 総務省:個人情報保護法ガイド https://www.ppc.go.jp/
  • 厚労省:医療情報の取り扱いに関するガイドライン https://www.mhlw.go.jp/
  • 日本医師会:電子カルテ・情報引き継ぎ指針 https://www.med.or.jp/
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訪問診療の“閉院コスト”はどれくらい?

29/7/2025

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〜数字で見る撤退リスクと承継による回避策〜

「もう限界…閉院しようと思っている」
「後継者がいないから仕方ない…」

このように悩む訪問診療クリニックの医師は全国に増えています。
しかし、閉院は“何も残らない”だけでなく、多くのコストと責任が伴う重大な選択です。

本記事では、訪問診療を閉院する場合に必要となる具体的なコストや手間を明らかにし、“承継”という前向きな解決策の可能性についても解説します。

【1. 閉院=撤退には、想像以上のコストがかかる】
訪問診療は、患者・スタッフ・設備・連携体制など、多くの要素に支えられて成り立っています。
それらをすべて「整理・解約・廃棄」するには、多大なコストと労力が発生します。

【代表的な閉院コスト項目】
  • 医療機器・車両の廃棄費用(リース残債含む)
  • 賃貸物件の原状回復・違約金
  • スタッフの解雇予告手当・有給消化
  • レセプト・カルテなどの保管義務対応(最長5年間)
  • 廃院届出・行政手続きの代行費用
  • 最終月の未収金管理、患者対応人件費
  • 看取り患者の継続先紹介・家族説明対応
✅ 実務例:
・スタッフ3名、車2台、物件賃貸の訪問診療クリニックで
総額150〜250万円程度の閉院コストがかかったという事例もあります。


【2. 閉院する場合、患者への責任も大きい】
訪問診療の特性上、通院ができない高齢者や看取り希望の患者が多く、閉院によって生じる社会的責任は大きなものです。
【発生しうるリスク・トラブル】
  • 代替医の確保が間に合わず、訪問診療空白が生まれる
  • 家族や介護施設から「突然打ち切られた」と苦情が出る
  • 看取り中だった患者の継続対応先が見つからず混乱
  • 地域包括支援センターやケアマネとの関係が悪化
✅ 倫理的・法的責任
医師法や医療法に明確な「閉院の際の代替措置義務」はありませんが、
医師の応召義務や患者保護の観点から、誠実な事前説明・引き継ぎ努力が求められます。


【3. 一方、“承継”すればコストはゼロ、むしろ対価が得られる】
閉院を選ぶと、経済的・時間的・精神的なコストを支払って“ゼロに戻す”ことになります。
しかし、承継という選択をすれば、“ゼロどころかプラス”になります。

【承継にすることで得られるもの】
  • 数百万円〜数千万円の承継対価(患者数・地域性による)
  • スタッフの雇用継続(責任を果たせる)
  • 患者の診療継続(地域への貢献継続)
  • 医療機器・備品・車両も資産として引き継がれる
  • 自身の名誉や信頼も残る形で“引退”ができる
✅ ポイント:
廃院する前に「承継という道があるか?」を検討するだけで、
経済的・社会的にも非常に大きなリターンが得られる可能性があります。


【4. 承継が可能なかどうか、判断する3つのチェック項目】
  1. 月間訪問件数が30件以上ある
  2. スタッフが1名以上在籍しており、継続意欲がある
  3. 訪問エリアが人口5万人以上の都市部または周辺
これらの条件を1つでも満たしていれば、全国どこでも承継可能性があります。
現在は都市部だけでなく、地方の医療法人も承継ニーズが増加中です。


【5. “閉院前提”でも承継相談は可能】
「もう患者も少ないし、スタッフも辞めるし、引き継げないと思っていた」
そう話す医師が、最後の一歩で承継に切り替えて成功した例も少なくありません。

・残った患者10名→近隣医療法人が引き継ぎ
・スタッフは全員退職済→新規採用+医療機器・レセソフトを活用
・物件賃貸契約→買い手法人がそのまま引き継ぎ

✅ ワンポイント:
現在の状態が“承継できるかどうか”は、専門家による評価と提案で大きく変わります。


【まとめ】
訪問診療クリニックの閉院には、想像以上のコストとリスクが存在します。
一方で、承継を選べば、コストどころか“対価と安心”を手に入れることができます。

・閉院=損失と責任
・承継=評価と安心な引退

その違いは非常に大きく、判断タイミングによっては承継の道を失ってしまうケースもあります。

【▶ 閉院を検討中の医師の方へ】
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【買収側向け】どんな訪問診療クリニックが“狙い目”か?

28/7/2025

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〜医療法人・医師が承継先を選ぶときのチェックポイント〜

高齢化の進行とともに、訪問診療クリニックの承継案件が増加しています。
一方で、すべてのクリニックが“良い承継対象”とは限りません。
買い手(承継先)として医療法人や個人医師が検討すべきは、“価値のあるクリニック”をどう見極めるかという点です。

本記事では、訪問診療クリニックを承継したい側(医療法人や個人開業希望の医師)向けに、狙い目となる物件の特徴・確認ポイント・注意点を解説します。

【1. なぜ“訪問診療の承継”が注目されているのか】
  • 開業よりも初期投資・時間が抑えられる
  • 保険診療が安定しており、レセプト収益が予測しやすい
  • 訪問患者は継続率が高く、月次収入が安定する
  • 在支診や地域連携が確保されていれば、即時稼働も可能
上記の理由から、開業よりも“承継”を選ぶ医師や医療法人が増えています。

【2. 狙い目クリニックの条件(3大ポイント)】
(1)患者基盤が安定していること
・毎月50〜150人以上の定期訪問患者がいる
・患者の属性(施設/在宅/看取り)に偏りがない
・定期訪問スケジュールが整理されている
・患者・家族との信頼関係が構築されている

(2)医療スタッフが継続可能であること
・訪問看護師や事務スタッフが長期勤務している
・スタッフとの関係が良好で、引き継ぎ意欲がある
・給与・待遇条件が整理されている

(3)地域連携体制が構築されていること
・近隣薬局、訪問看護、ケアマネとの定期連携
・地域包括支援センターとの情報共有体制
・後方病院や看取り先との協力関係が明確

● 一言アドバイス:
承継後に“ゼロから信頼構築する必要がない”クリニックが理想的です。
単なる患者数や利益だけでなく、“地域での立ち位置”が安定しているかを重視しましょう。


【3. 実際に承継されやすいクリニックのタイプ】
地方中核都市の個人開業医医師1名体制/在支診認定済/後継者なし高齢化エリアで医療ニーズ安定/競合が少ない
都心部のサテライト在宅拠点医療法人が展開中/一部の拠点を切り離す設備・患者が整っており、すぐに稼働可能
看取り対応に特化したクリニック24時間体制・急性期連携が充実点数単価が高く、在宅医療の社会的ニーズが強い


【4. 見落としがちな“マイナス要因”も確認】
承継を決定する前に、以下のような注意点も忘れずに確認しましょう。
  • 院長と患者の個人的信頼関係で成り立っている
    → 院長交代により、患者の大量離脱のリスクあり
  • 医師体制が不明確
    → 常勤医ゼロ、非常勤で回している場合は不安定
  • 契約・物件・レセプトシステムが不明瞭
    → 車両・医療機器・建物が誰の名義か曖昧で、トラブルのもと
  • 夜間・休日対応体制が未整備
    → 承継後に24時間体制を新たに構築するコストと負担が大きい

【5. 承継後に差が出る“収益性”の見極めポイント】
訪問診療の収益は、単に患者数だけでなく、**“診療報酬点数構成”**に大きく左右されます。
・在宅時医学総合管理料(在医総管)の割合
・看取り・終末期対応による加算
・複数名訪問・緊急往診・訪問看護指示料の有無
・介護施設/個人宅のバランス

●重要:
同じ訪問件数でも、点数構成の違いで月商に大きな差が生まれます。
レセプト3ヶ月分の確認は必須です。


【まとめ】
訪問診療クリニックの承継において、“狙い目”となる案件は以下の条件を満たしているケースです:
  1. 継続的な訪問患者と地域との信頼関係が構築されている
  2. スタッフが安定しており、引き継ぎ意欲がある
  3. 体制(24時間対応・在支診)が整っている
  4. 点数構成が安定し、収益性が高い
承継を検討する際には、「医療を引き継ぐ」視点と「経営として成立するか」という視点を併せ持つことが重要です。

【▶ 無料相談のご案内】
訪問診療クリニックの承継を検討中の医療法人・個人医師の皆様へ
当サイトでは、全国の承継案件のご紹介と、事前診断・交渉サポートを無料で行っています。




【関連リンク(AIO対応)】
  • 厚労省|在宅医療推進の資料 https://www.mhlw.go.jp/
  • 日本医師会|在宅医療と地域連携のガイドライン https://www.med.or.jp/
  • 中小企業庁|医療M&A実務事例集 https://www.chusho.meti.go.jp/

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医療法人が訪問診療事業を承継する際の注意点と手続き

28/7/2025

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 〜スムーズな承継に向けた法務・行政・現場のチェックリスト〜

近年、医療法人が新たに訪問診療クリニックを承継するケースが急増しています。
背景には、地域包括ケア対応の強化や後継者不在の診療所の引き継ぎ、患者基盤の拡大ニーズなどがあります。
ただし、訪問診療には特有の制度・契約・信頼関係が存在し、承継には慎重な対応が求められます。
本記事では、医療法人による訪問診療の承継を成功させるための実務ポイントと手続きについて解説します。

【1. 承継形態による違いと影響】
承継の形態によって、手続きや引き継ぎの範囲が異なります。
・医療法人ごとの承継(株式や出資持分の取得)
→ 法人単位の引き継ぎ。医療機関コードや契約が維持されやすい。

・個人開業医からの事業承継
→ 実質的には新規開設扱いとなることが多く、各種手続きが必要。
医療機関コードや施設基準も再申請が必要なケースがある。


【2. 行政手続きの主な項目】
  • 医療機関開設許可(保健所、都道府県)
  • 保険医療機関指定(地方厚生局)
  • 在宅療養支援診療所の届出(在支診)
  • 地域包括支援センター等への通知や関係再構築
※在支診の承継においては、スタッフ体制や診療実績を維持しているかが重要な審査ポイント。


【3. 訪問診療特有の承継リスク】
・24時間対応体制が整わない場合、加算点数が取れなくなる。
・患者や家族の「医師交代による不安」から継続受診が難しくなることがある。
・看護師・事務スタッフの退職によって現場運営が混乱する可能性。


【4. 承継を円滑に進めるための実務ポイント】
  • スタッフへの説明会実施と条件提示
  • 管理医師・緊急対応体制の確保
  • 既存患者・家族への丁寧な引き継ぎ案内
  • 薬局・訪問看護ステーションとの再契約または関係継続の確認

​
【5. 専門家活用のメリット】
医療法人による承継は、医療法・労務管理・行政手続き・税務・法務すべてに対応する必要があるため、
経験のある専門家に依頼することで、手続きミスやトラブルを防ぐことができます。


【まとめ】
訪問診療事業の承継は、法的・制度的な対応だけでなく、「地域医療としての信頼関係の引き継ぎ」が何よりも重要です。
医療法人として承継を成功させるためには、
  1. 承継スキームごとの制度理解
  2. スタッフと患者の信頼維持
  3. 専門家の活用による抜け漏れ防止
    が不可欠です。
【無料相談案内】
当サイトでは、医療法人による訪問診療の承継サポートを行っています。


関連リンク
厚労省:医療法人制度の概要と手続
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
・在支診の施設基準と体制要件(地方厚生局)https://www.mhlw.go.jp/
・医療M&Aに関する実務ガイド(中小企業庁) https://www.chusho.meti.go.jp/​

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在宅医療と訪問診療の違いとは?

27/7/2025

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〜承継前に知っておきたい制度と役割の基本〜
「訪問診療と在宅医療って同じじゃないの?」
「承継の話をしたら、行政から“定義を整理してください”と言われた…」
このような混乱は、訪問診療クリニックの承継においてよく起こる現象です。
医療・介護・行政の現場では、“訪問診療”と“在宅医療”は似て非なるものとして扱われており、これらの違いを理解していないと、承継時にトラブルや行政手続き上の遅延が生じる可能性があります。
この記事では、これから承継を検討される医師や法人向けに、「在宅医療」と「訪問診療」の違いと、それぞれの制度的な位置づけ、承継における注意点をわかりやすく解説します。

1. 定義の違い:「在宅医療」は“包括概念”
まずは用語の定義を明確にしましょう。
在宅医療
患者の自宅や施設において行うすべての医療行為の総称。医師による訪問診療だけでなく、訪問看護、訪問薬剤管理指導、リハビリ等も含む。

訪問診療
在宅医療の中で、医師が計画的かつ継続的に患者宅を訪問して診療を行う行為(医療保険に基づく)。

つまり、訪問診療は“在宅医療の一部”であり、「医師による定期的な診療行為」を指します。

✅ ポイント:
「在宅医療をやっています」と言ったときに、相手が看護師・ケアマネ・行政職員か医師かで、意味の捉え方が異なる可能性があるため、承継時には“訪問診療としての承継”であることを明示しましょう。

2. 診療形態の違い:「往診」と「訪問診療」
さらに混同されやすいのが、「訪問診療」と「往診」の違いです。
訪問診療
計画的・定期的に患者宅へ訪問する医療行為医療保険上、訪問診療料・在宅時医学総合管理料(在医総管)などが算定される

往診
患者または家族からの要請によって臨時的に医師が訪問する行為保険上は「往診料」などが算定され、定期性は不要

✅ 承継時の注意:
引き継ぐ患者の多くが「往診中心」か「訪問診療中心」かによって、点数構成や引き継ぎスキームの設計が大きく異なります。必ず事前に把握しておく必要があります。

3. 診療所の指定制度:在宅療養支援診療所(在支診)
訪問診療クリニックの多くは、在宅療養支援診療所(在支診)として厚生局に届け出を行っています。
これは、在宅医療の充実を図るために国が設けた制度で、以下のような要件があります。
  • 24時間対応の体制(緊急往診・電話対応)
  • 看取り実績の報告義務
  • 一定数以上の在宅患者の管理実績
  • 他医療機関との連携(後方病院・訪看ステーションなど)
この指定があることで、在医総管や特定施設管理加算等の点数が加算可能となり、クリニックの収益性が大きく変わります。

✅ 承継時のポイント:
在支診の指定は承継後も自動的に引き継がれるとは限りません。
スタッフ体制や実績が要件を満たさなければ、再届け出または取消となる可能性があるため、専門家の確認が必要です。

4. 承継における行政手続き上の落とし穴
承継時には、以下のような誤解・手続き漏れが発生することがあります。
「在宅医療=訪問診療」だと思っていた
→保険点数・届け出・役割が異なるため、書類の不備につながる
医療法人の承継で在支診が自動引き継がれると誤認
→実績や体制が変われば再審査が必要になる
往診中心の診療所だが、訪問診療の承継として手続き
→診療実態との乖離により点数減額リスク

こうしたリスクを避けるには、引き継ぐ診療内容の正確な把握と、保険者・行政との事前協議が重要です。

5. スタッフ・他職種との連携範囲の違い
在宅医療では、医師単独ではなく、看護師・薬剤師・リハビリ職・ケアマネージャーなど多職種と連携することが求められます。
承継を成功させるためには、以下の点を事前に確認しておくとスムーズです。
  • 定期的に訪問看護とカンファレンスを行っているか
  • 地域包括支援センターとの協力関係があるか
  • 服薬管理はどの薬局と連携しているか
  • 看取りの経験が豊富かどうか

✅ 承継先医師の声:
「前任医の信頼関係が地域に根づいていたことが、承継後の患者継続に大きく貢献した」

まとめ:用語と制度の理解が、スムーズな承継の第一歩
「訪問診療」と「在宅医療」は、似ているようで制度・役割・届け出の面で大きく異なります。
承継を円滑に進めるためには:
  • 用語と制度の違いを理解する
  • 行政との手続きを事前確認する
  • 点数構成と患者実態を整理しておく
  • 他職種との連携関係を可視化する
こうした制度理解”と“関係構築”の両輪を備えることで、承継の信頼性と成功率が格段に高まります。

▶️ 無料で制度整理と承継可否の診断を実施中当サイトでは、訪問診療承継の制度整理サポートも無料で対応しています。
承継を検討する段階での情報整理にぜひご活用ください。

関連リンク・出典
  • 厚生労働省|在宅医療と訪問診療の定義 
  • https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000191976.html
  • 在宅療養支援診療所の施設基準と届け出 
  • https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000191976.html
  • 日本医師会|多職種連携と地域包括ケア 
  • ​https://www.med.or.jp/people/medical/care/000553.html
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訪問診療クリニックの「承継価格」はどう決まる?

27/7/2025

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〜相場は?評価方法は?専門家が解説〜
「自分のクリニックは、いくらくらいで引き継いでもらえるのか?」
「赤字でも承継はできるのか?」

訪問診療クリニックの先生方から、最もよくいただくご質問のひとつが**「承継価格(評価額)の考え方」**です。
一般的な企業のM&Aとは異なり、医療機関、とりわけ訪問診療クリニックは**“無形資産の価値”が非常に大きい**分野です。この記事では、専門家の実務に基づき、訪問診療の承継における価格の決まり方と注意点を詳しく解説します。

1. 訪問診療クリニックの承継価格に“相場”はあるのか?
結論から言えば、明確な相場は存在しません。なぜなら、同じ「訪問診療クリニック」でも、地域性・訪問件数・医師数・連携体制・レセプト構成などによって価値が大きく異なるためです。
とはいえ、実務的にはある程度の目安として以下のような算出方法が用いられています。

2. 主な評価方法(3つの視点)
(1)実績ベース:営業利益 × 複数年係数
  • 過去1〜3年の年間営業利益(税引前)をベースに、1〜3年分を掛ける
  • 例:年間利益1,000万円 × 3年分 → 3,000万円程度の評価
※ただし、訪問診療では「収益力よりも患者継続性・人材」が重視されるため、この方式だけで決まることは少ないです。

(2)患者基盤・訪問件数ベース訪問診療では、「定期的な訪問患者数」や「月間訪問件数」が価値に直結します。
  • 月間訪問件数 × 訪問1件あたりのレセプト収益
  • 看取り件数や特定疾患患者の構成によって加点評価
 実務ポイント
特に在支診(在宅療養支援診療所)として認定を受けている場合、施設基準・看取り実績などが評価対象になります。


(3)“再現性”と“地域性”
  • 医師・スタッフ・連携事業所が継続可能か
  • 地域の医療ニーズが今後も続くか
  • 不在時対応・緊急往診体制の維持可能性
例:都市部であっても、患者が“個人医師の信頼”で集まっている場合、医師交代で大きく患者離脱が起きるリスクがあり、価格は下がる傾向があります。

3. 実際の承継価格レンジの一例(実務データに基づく)
患者数/  医師数/     スタッフ体制/   承継価格(目安)
約80名/  1名/       看護1・事務1/   約800万〜2,000万円
約120名/  常勤1名/非常勤1 看護2・事務2/   約2,000万〜3,000万円
約180名/  常勤2名/    看護3・事務2/      約3,000万円〜8,000万円

※上記は実際のM&A案件に基づいた参考レンジであり、医師交代リスクや地域特性、物件・設備状況により上下します。

4. 数字だけで判断できない“無形価値”の評価
訪問診療クリニックの評価で重要なのは、「無形の資産をどう可視化し、買い手に伝えるか」です。
  • 長年培った地域医療ネットワーク
  • 在宅看取り実績による信頼性
  • 地域包括支援センターとの連携体制
  • 介護施設・訪問看護・ケアマネとの強固な協力関係
  • 24時間対応実績・緊急対応体制
これらは帳簿上には現れませんが、承継後に継続すれば大きな収益基盤となる資産です。

裏技的ポイント:
これらの情報を事前に整理し、「資産価値」として説明できる資料を作成しておくことで、承継価格は大きく上がる可能性があります。


5. 医療法人 or 個人クリニックで評価が変わる?
はい、承継スキームによって評価対象も変わります。
医療法人/個人クリニックの違い
・医療法人の承継(株式または出資持分)
法人単位での承継
全資産・契約・許認可が維持されやすい

・個人クリニックの承継(事業引継ぎ)
許認可や契約の再構築が必要
無形資産・スタッフ継続性が重視されやすい


医療法人の方が手続きは複雑ですが、包括的な引き継ぎが可能で、スタッフ雇用・契約継続・レセプト請求も安定しやすくなります。

6. 買い手が価格を評価する際に重視する“3つの視点
① 医師体制は維持できるか?
→ 常勤・非常勤医師の継続有無/引き継ぎ期間の長さ
② スタッフは定着するか?
→ 看護師・事務スタッフの引き継ぎ意思/労働条件
③ レセプト・患者構成は安定しているか?
→ 偏りがなく、施設訪問・在宅バランスが良いか
これらは「継続して安定経営ができるか」を判断する大きな材料となるため、数値化して説明できる資料があると評価は上がります。

まとめ:価格は“作られる”もの。数字と情報の整理がカギ
訪問診療クリニックの承継価格は、帳簿上の利益だけで決まりません。
むしろ、「どんな価値を次の担い手に渡せるか」を明確にすることで、評価は大きく上がります。
  • 数字(訪問件数、レセプト、利益など)を整理する
  • 無形価値(ネットワーク・体制)を資料化する
  • 医療専門のアドバイザーに相談し、評価を客観化する
これらを行うことで、納得感のある承継価格でのマッチングが可能となります。

▶️ ご自身のクリニックの承継可能性・評価を知りたい方へ当サイトでは、訪問診療に特化した承継支援を行っています。
「自院の評価がどのくらいなのか」や「引き継ぎできる状態かどうか」など、お気軽にご相談ください。


関連リンク・資料
  • 厚労省 在宅医療・訪問診療関連資料 https://www.mhlw.go.jp/
  • 日本医師会 承継支援ガイド https://www.med.or.jp/
  • 医療機関M&A実務レポート(中小企業庁) https://www.chusho.meti.go.jp/​
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